山﨑正友と静岡県議とで組んだ土地転がしは、途方もない利益を2人にもたらしていました。
もともと大石寺所有で山下商事㈱に売買された土地は、山下商事㈱より県議の会社に売られました。
この売買の際、山﨑は創価学会の顧問弁護士でありながら、弁護士法に違反して裏で5000万円を差益金として抜いたのです。さらにこの土地の売買で、県議は1億円の差益金を得ています。
山﨑と県議は、この土地にゴルフ場を作ろうとします。だが所詮は素人商法です。静岡県知事が、同県下におけるゴルフ場開発を、ひとつの例外なくことごとく認めないとの方針を示したのです。
山﨑と県議の目論んだゴルフ場計画は、瞬時にして中止の憂き目にあったのです。
山﨑は、入手しながらも宙に浮いてしまったゴルフ場計画の土地を、今度は墓園計画に変更し、創価学会に持ち込んだのです。
その際、N合板㈱の所有であった16万坪の土地の売買においても、県議の関係会社と山﨑は、3億円の差益金を得ていました。この2人は、転んでも手に握り込んだお金は離さないのです。
実は細井日達も、払い下げた大石寺の土地で墓園計画を実施しようとしていました。しかし日達は、山﨑から5000万円をもらったことで満足し、墓園計画を中止してしまったのです。
日達は信徒の墓を開発・管理するよりも、裏金の5000万円のほうがありがたかったのです。
日達に手渡す前、この5000万円を山﨑が一人暮らしの自宅マンションに持ち帰ったことがあります。私は通常の業務として山﨑のもとを訪ねました。するとそこには常日頃の山﨑とは、まったく違う山﨑がいました。何はともあれ、山﨑は相好を崩して一人でニタニタしています。
さすがに私も気持ち悪くなり、ニタニタの原因について聞きました。
山﨑は、小学一年生のように胸を張り、私に話すのです。
「昨日の夜は、そこにある風呂敷包みを枕にして寝たんだ。その風呂敷には新券が入っている。それも5000万円だ。俺って、すごい?」
この「俺って、すごい?」と部下に聞くのは、山﨑の癖でした。こう聞かれて、
「すごいですね」
と答えることのできる部下は、なかなかいませんでした。いや、絶無だったと思います。
このような私の話を聞き、河辺は心底、納得し、大いに笑っていました。
他方、私の心の中には墓園事業についての総括が去来しました。
このような性根の男が、創価学会の墓園建設の先鞭をつけたということは考えたくもないことです。
しかしながら、客観的にみるならば、この墓園は創価学会あったればこそ建設が可能となり、後の時代につながるよう、日々、職員の方々が渾身の思いを傾けて管理をされているのです。
山﨑にとって、信仰している人々を騙し、金を抜くことは容易いことです。
富士桜自然墓地公園は現在、創価学会が運営しています。他の宗教団体が管理している墓園と比較しても、抜きん出た管理及びサービスの良さです。
この富士桜自然墓地公園の以前には、創価学会として大きな墓園はなかったのですから、この富士桜自然墓地公園の果たした歴史的意義は、実に大きいものであったと思います。
積極的に考えてみれば、日達が5000万円で創価学会に対し、永久に墓園開発を許可したともみることができます。
(以上第9報)